TBSラジオから出演依頼のメールが届きました。
私の書いた『明治人の作法』(文芸春秋)を読まれ,それで依頼となったそうです。私の作法研究がお役に立つようですので,快くOKをしました。
お願いをされたら,できるだけ誠実に対応すること。
これの積み重ねが,その後の人生を豊かな方向へとつなげてくれます。
収録が25日。TBSラジオへ行ってきます。放送は,2月だそうです。
作法については,三鷹の野口塾でも少し講演いたしましたが,アバウト知っているものの,その実,どうすることが基本なのかとなると,ハッキリしません。ましてや,その歴史的流れとなると,大方の人は知らない世界になっています。作法の指導が伝承的にされてこなかったからです。
でも,大元の『作法教授要項』を知れば,かなり高いレベルで作法を知り得ることができます。『明治人の作法』には,作法教授要項のこともたくさん出てきます。
本の帯に少年がいます。少年のきりっとしたこの着席の姿勢ですが,和洋折衷の姿なのです。明治時代の家庭には机椅子が普及していません。どう座ったらいいのか,それすらよく分からない時代だったのです。そこで,当時の人たちがあれこれ考えて,西洋の椅子に,正座の姿を組み合わせ,この形になりました。
手の形は武士が正座するときの形です。武士の正座は殿の御前での姿勢が基本となります。控える気持ちが肝要ですので,手も「ハ」の字に内に向け,自分の体が小さくなるようにしていました。
今も小学校では,「手はハの字」と教えられています。この「ハ」の形に武士の姿を感じるので,そういう姿勢の子を見ると,清々しさを感じます。