3年生で小数を学びます。
初めての小数です。楽しく親しませることが大切です。
それを可能にする,チョー簡単教具があります。
「小数点くん」です!!
教室の黒板に,丸い磁石がたくさんありますね。
それに笑顔をかきます。
これで準備万端です。
つくった「小数点くん」は,お披露目のために,上着のポケットなどに隠しておきます。
そうして,授業で黒板に「3.6」と書くとき,わざと小数点を書かないで,「36」とだけ書いておきます。
子ども達は,小数点が足りないことを指摘してきます。
それを受けて,「実は,今日は小数点くんが教室にやってきています。みんなで呼んでみましょう!」と誘います。
一斉に,大きな声で「小数点く~~~ん!!!」と呼んだら,ポケットから取り出します。
そうして,板書した「36」の所にペタッとくっつけます。
先生がくっつけるのも良いですが,「くっつけたい人」と誘えば,わんさか手が挙がります。楽しいときは,挙がる手がどんどん増えます。
友達の関田先生は,小数の学習の始まりに,みんなで「消臭力」ならぬ,「小数力」と声出しをしています。
こういう面白い話しを聞くと,「小数点くん」という名称も「小数力」や「小数小力」でも,面白いと思います。
こういう教具を作る時に,簡単なポイントがあります。
「重要な一点を形にする」という方法です。
今回のは,単元が小数ですので,一番重要なのは「小数」そのものです。その小数を表記する時に登場する「小数点」にスポットを当てて,教材を作りました。
「小数の表記」を教材にしたのです。
同様に考えれば,他の単元では何を形にしたら良いか,あれこれ思いつきます。それを実行してみてください。先生オリジナルのグッドな教材で楽しく集中して授業が進みます。
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このような面白い教具を作って授業をしても,「算数通の先輩方」を納得させることは難しいです。
「小数の表記」も重要ですが,もっと重要なのは「小数の量感」です。
「小数点くん」では,どうやっても量感はつかめません。
子ども達は盛り上がりますが,なんとはなく軽いお遊び的教具と思われてしまいます。
量感を示す教材は,コンピュータソフトが一番です。
ものさしがうつっている算数ソフトを見て分かるように,水色の「テープ」で量を示し,答えの数値で「数」を示しています。
「量と数」を同時に示しつつ,それを連続的に変化できるので,「小数の量的理解」が得られるのです。
その上,さらに,「5.3cm」に対応して,「既習の5cm3mm」も同時に示しています。
単位の換算が自然と会得できます。
「新しい内容と,既習との連立」は理解を深める大切な見せ方です。
「小数点くん」で楽しんで,さらに算数ソフトでしっかりとした理解。
こういう授業が新しい時代の展開となります。