6年で「文字を用いた式」を学習します。
  「5 x X」のような表し方です。

  この学習で,ユーモアとしてよく使われるのが「謎の数字X(エックス)」です。
  単に「X」と言えば良いところを,わざわざ「謎の数字X」と言い換えることで,子ども達にXの中身が数字であることを伝えていきます。
  それだけのことですが,何とはなく推理漫画のようでもあり,教室がちょっとは盛り上がります。

  このユーモアは,笑えるだけではなく,案外重要な所を指摘しています。
  「Xの中が数になっている」
  この把握に,この単元での重要な思考方法が内包されているからです。

  上の画像に,5の段のかけ算がズラッと並んでいます。「5×X」というのは,この5の段の式を一つにまとめて束ねた言い方なのです。
  逆に,「5×X」を具体的にいうと,上の式のようにたくさんの,無限の表し方があります。掛ける数が小数や分数の場合もOKなので,無限が無限にあるほど,たくさんの式があり,それを全部まとめてギュ--ッとまとめて1つにして,考えやすくしているのが「5×X」なのです。

  この思考方法は,日常でも簡単に使うことが出来ます。
  秋田県,高知県,沖縄県,宮崎県,青森県,群馬県,福島県・・・を,算数的に1つにまとめると「県」となります。
  赤とんぼ,しおからとんぼ,むぎわらとんぼ・・・は,算数的には「とんぼ」となります。
  
  ただ,日常の言葉は,このように束ねても,そこから先の進展がありません。
  ですが,算数の文字は,その後,文字同士でたし算やひき算,かけ算わり算を行うようになります。数だけの特権だった四則計算が,文字でも行えるようになります。なぜなら,文字の中身は数の集合体だからです。
  「数の考え方」を,「文字に拡張」していく重要な場面が,この単元なのです。その橋渡しの考え方が,「一つにまとめる」という考え方なのです。

  さて,上のソフトです。薄紫のボタンをクリックすると,この「一つにまとめる」アニメーションが始まります。
  それを見ると,どんな学習がわかりやすくなるのでしょう。
  これは,ソフトでご確認ください。
  このソフトも,近いうちに「もっと!算数」サイトにアップします。
  類題もいくつか,作る予定でいます。
  6年生の先生,文字式の単元は,「もっと!算数」で楽しく取り組んでください。

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  『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(DVDブック/さくら社)を使っている先生がドンドン増えています。
  うれしいです!
  日本中の子ども達が算数が好きになりますように,私も微力ながら,ソフト開発を進めていきます!!