【横山験也のちょっと一休み】№.2795
若い先生方は御存じないかもしれませんが、有田和正先生の社会の授業は桁違いでした。
浮き魚、底魚。
サトウキビ。
ぼっとん便所。
1枚の紙から作るポスト。
ずいずいずっころばし。
ゴミを買っている。
大名行列。
・・・・・・
どれを思い出しても、段違いです。
教科書に合わせて、順当に授業を進めていた私は、有田先生の授業が神業に見えていました。
闘志も燃やしましたが、私ごときの教材研究ではとても及びません。
さくら社を設立してから、かなり親しくさせていただきました。
体調を崩され、入院をされていた時、お見舞いに伺ったことがあります。
窓の近く棚に、スカイツリー関係の本がドンと積まれています。
伺えば、スカイツリーを題材とした授業プランを練っているとのことでした。
入院中ですので、有田先生のお姿には少々の痛々しさがあります。
そんな中でも、常に新しい授業を考えています。
教師道というのでしょうか。
名人の道というのでしょうか。
熱く伝わって来るものがありました。
今日は、有田先生の御命日です。
14年にお亡くなりになりました。
早いもので、もう6年です。
『今こそ社会科の学力をつける授業を――有田式授業づくりに学ぶ』は、有田先生の未完の御原稿をそのままにしてしまうのはもったいないと、たくさんの先生方のお力で刊行しています。
古川光弘先生:有田式授業づくりに学ぶ
佐藤正寿先生:学習技能の鍛え方を学ぶ
篠田裕文先生:子どもの見方の鍛え方を学ぶ
徳田洋広先生:有田先生を追い求め「丸ごと」学ぶ
福山憲市先生:有田先生の授業づくりを追試する
福嶋顕勝先生:牧草ロールとサイロの風景を追究して
大谷和明先生:教材開発の基本姿勢と授業の発問構成を再考する
藤本浩行先生:教材研究とネタ開発の大切さ
金川秀人先生:有田式Webワーク
俵原正仁先生:逮捕されないような授業を創るために
沼澤清一先生:授業のオープンエンド化を学ぶ
感謝に堪えません。
そうして、有田先生の授業とネタがたくさん掲載されています。
三年生で行いたい授業とネタ
四年生で行いたい授業とネタ
五年生で行いたい授業とネタ
六年生で行いたい授業とネタ
この中に、「スカイツリーと県の特色」という授業も載っています。
お見舞いに伺ったときに研究された新しい授業です。
コロナが猛威を振るっていますが、きっと有田先生は新しい授業プランを練っておられるのではないかと思います。
そうして、日本中の先生方を応援されているように思えています。
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