栃木県の足利市で野口塾が開催されました。今回は,足利学校で学ぶというオプションが付いていました。
足利学校というのは,日本最古の学校ですので,この機会を逃したら・・・という思いで参加しました。
写真の門に「学校」とあります。小学校で勤めていたので,この「学校」という言葉は心に響きます。
ところで,この「学校」という言葉ですが,記録に残っている最古のものは「孟子」と言われています。随分前の事ですが,そんな一節を作法の本で読み感動した事を覚えています。
ちょっと気になり,岩波文庫の『孟子』を読んでみました。
読み進めていくと,「庠序(しょうじょ)学校」とありました。
昔,中国に「庠序」という名前の学校があったという事ではありません。夏の時代には「校」と呼び,殷の時代には「序」,周の時代に「庠」と呼んでいたのを孟子がまとめて書いたのです。それぞれ学びの場の名称で,「校」は「教える」という意味だと,孟子は書いています。
「庠序校」でも良かったのでしょうが,思うに,一番古い周の時代「校」にある種の敬意をもって,その前に「学」をいれたのでしょう。それが今の普通名詞になっています。孟子がどれほど読まれてきたかが伝わってきます。
そんなことをフッと思い出しながら,この門をくぐりました。
それから30分。論語のお話しを伺いました。
論語抄から3つお話しを頂きました。
有名なところですので,私でも多少知っていました。知っている状態でお話を聞くと,話しは実に味わい深く感じられてきます。
この感覚は,授業にもいえることです。
この日も,算数ソフトのお話しをしました。子ども達がソフトを見て内容を理解した頭で,教科書を見るとどうなるか,ということです。
教科書に書いてある事柄への理解が深まります。
野口先生のお話は,何時にもまして濃い内容でした。下の板書からも,そのすごさが伝わると思います。
今回野口塾で,友達の駒井康弘先生がお話しをしました。実践的に研究を進めている「素読」のお話しです。
私には,かつて無いほど素晴らしいお話しとして聞こえてきました。1日5分の素読が,荒れている学級を前向きな学級へと変えていくのです。素晴らしい事です。しかも,簡単です。素読に使う最高のテキストとして,まずは野口先生の『言葉と作法』(登龍館)を使えばよいのです。クラスが落ち着いて来たら,大学などへと進みます。
参加された先生方の感動も呼んでいたのが印象的でした。