【横山験也のちょっと一休み】№.3728

エジプトの分数の事を書いたからか、分数のたし算ではどうして分母を足してはいけないのか、という問題を思い出しました。

分子が1+1で2となるのなら、分母だって4+4=8と行った方がいいように感じます。でも、分母は足しません。

こういう疑問を持つ子がいたら、どう説明したらいいでしょうか。

分母、分子の言葉から、お母さん、子どもと比喩的に話すことが好きな先生でしたら、「お母さんは忙しいんだよ」と言って何となくそうなんだなぁと思わせるのも楽しい答えとなります。

若いころの私が好んで使っていたのは、「昔からみんなそうやっているんだよ」「もう少しするとわかるよ」てな具合の返事です。
まあ、分母を足さないことが気になるのは、分数にまだ慣れていないからです。分数のたし算やひき算を何問もやると、分数の感覚に慣れてきて、2/8になると不自然さを感じるようになります。それから自問すれば自答できます。

でも、どうしてももっともらしい理由を知りたいと詰め寄ってくる子がいたら、図をかくのが一番です。ここはピザの形に似た時計図がいいです。
ピザを切って1/4をつくり、もう一つ1/4を作ったら、全部で2/8になるかどうか図を見て考えてもらえばいいのです。
2/8にはならないことがよくわかります。

それだけでなく、不思議なこととして、2/8が実は1/4と同じであることにも気が付いてきます。同じ分数を足したとき、分母を足してしまうと分数が変わらないのです。1/4+1/4=2/8(1/4)で、ありえないだろう!となります。これはこれで、子どもにとっては結構な発見をした気分になります。まだ他にも分数で気づくことが出てくるので、時計図はなかなかいい図と思っています。

下の本には楽しい算数のあれこれがたくさん載っています。