【横山験也のちょっと一休み】№.3729

分数同士のたし算では、どうして分母を足してはいけないのか。

これについて前回も書きましたが、前回はわかってもらうために何かを教えるというやり方ではありません。時が経てばわかるとか、時計図を見せればわかるというタイプです。

今回は、もう一つ、1つの事を教えると分かるというタイプの話です。
その一つと言うのは「分母は目盛り」と言うことを話すことです。

ややこしいことは考えずに、ジュースの入ったコップの図をかきます。
4つに分けるための目盛りも書きます。

そうして、今、ジュースが1/4入っています。ここに、1/4のジュースを入れたら、どうなるでしょう。

こんなことを聞くと、たいていの子は2/4になると答えます。3年生で学んでいる易しい内容だからです。

この時に「目盛りは何で足さないの」などと聞けば、足せるわけがないし、足したらおかしいと感じます。「分子は中身、分母は目盛り」なのです。
分母は目盛りなんだと分かれば、足してはならないものと理解が進みます。

この「目盛り」と言う言い回しは、単位分数の単位を比喩した言葉です。本来なら「単位が1/4なんだから・・・」と説明するのが筋なのですが、その単位というまじめな言葉の意味がうまくつかめません。
普通に「単位」と言えば、5cmや9㎏などのcm、kgという記号の意味と感じ取れます。まさか、1/4など元になる大きさとは思いません。それほど、日常では単位=記号となっています。ですので、単位と言う言葉を使っての説明は理解されにくい話となってしまいます。

そんなことを先生をしていた時に思い、何かほどよい代替えの言葉は無いかと思案した結果、行き着いたのが「目盛り」でした。これはストンと子ども達の頭に入り込みました。

城ケ崎先生が「単位は目盛り」とFBに書いてくれたおかげで、思い出すことができ、前回の続きを書くことができました。友達と言うのはありがたい存在ですね。

下の3冊の本にも楽しい算数のあれこれがたくさん書いてあります。