文章問題が10問も出題されると,たいていは子ども達のパワーダウンが始まります。心の中は「エーッ!」です。
  
  その嫌われ者の文章問題も,出し方次第でガラリと様相が変わってきます。
  「先生,7番もやりたい!」と言い出す子が出てきて,「どうしてもやりたいか」などと聞くと「やりたい!!!」となってしまうのです。
  嬉しい瞬間です。

  そのコツは,
   1) 1問ずつ見せる
   2) 全体の問題数を示す
  の2つです。

  算数ソフトの文章問題の画面です。3年生のわり算(あまりなし/3年の4巻に収録)の文章問題です。
  ごらんのように,番号ボタンを押すとその問題が1問だけ出てきます。他の問題が目に入らないので,集中が増します。みんなで取り組むので,「友情やる気」も高まります。
  それでいて,番号が10個見えています。全体が見えているので,問題を3問,4問と解くうちに,残りがだんだん気になってきます。「のぞいて見たい!」という心が,どうしてもくすぐられます。その上に,次第に全部やりたいという「達成感」も顔を出してきます。先生にとって嬉しい声が上がってくるのです。
  中身は,問題文と式・答えが出てくる極めて普通の出題です。まとめなので,図がありません。淡泊です。
  でも,出し方が功を奏すので,嫌われやすい文章問題が「チャレンジしたい文章問題」に変わってしまうのです。意欲も増しているので,習得も良くなります。

(指導の一例)
  チーム算数の佐々木先生が,この文章問題で「なるほどの指導法」を話してくれました。
  10問もあるので,これをグループに分けして,段階的に指導すると効果的となるのです。
  たとえば・・・・・・。
   1~3問目 問題文を見て式を考える(ノートに書かず,口頭で答える)
            先生は,問題文にアンダーラインなどを引き,注目すべき所を明確にする
   4~6問目 問題文を見て式をノートに書く(式が出来てれば,合格とする)
   7~10問目 問題文を見て,式・答えをノートに書く。
 
  やる気満々で問題を解くので,子ども達の習得も良く,テストでも「思考」の平均が90点突破しました。もちろん,教科書の問題もしっかりやります。