【横山験也のちょっと一休み】№.3492
「家の玄関の履物をそろえる」という宿題について、昨日、少し書きました。
今日は、その続きです。
この宿題には、いろいろと面白いことがあるのですが、今回は「そろえる」の漢字についてお話をします。
「そろえる」を漢字で書くと、「揃える」となります。
この「揃」をよく見てください。
教師という感覚で見ると、ハタと感じるものが出てきます。というより、教えたくなるポイントがズバリと示されている、よくできた漢字と感じられてきます。
まず、部首が「手へん」だということです。靴やサンダルを揃えるとき、面倒になって足でやってしまうことがあります。足でやっても、そろうときはそろいます。結果オーライとしても良いのでしょうが、この漢字が「足でやるとは、何事ですか!」「手でやるんですよ!」と教えてくれている気持ちになります。
次に、つくりです。つくりは、「前」となっています。整っていればそれでいいということでは無く、「物にも前や後ろ、表や裏、顔やお尻がありますよ!」「履物だから、前に向けてそろえるんですよ!」と教えられている気持ちにもなります。
実によくできている漢字なので、辞書でも調べてみました。すると、「揃」は国字と分かりました。日本人がつくった漢字なのです。きっと、あれこれと指導する立場の人が、この漢字を作って「そろえる」と読ませて、大事なポイントがしっかり印象づくようにしたのかもしれません。
この漢字、グッジョブ!
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この漢字のことは出てきませんが、道徳の授業には『道徳読み』、教室の先生の机の上には日めくり『教室論語』をおススメします。