テレビのCSチャンネルが好きで,よく見ています。
古い時代劇は,所々,なるほど!と勉強になります。
今日は,戦前の忠臣蔵のお仕舞いの方を少し見ました。1938年(昭和13年),板東妻三郎が主演の映画です。
瑤泉院を訪ねた大石内蔵助が帰り際,「戸田殿 ご機嫌よう」と言うと,戸田は「御道中 後大切に」と挨拶を返します。こういうところ,いいです。
別れ際の挨拶言葉,「さようなら」。漢字で書くと「左様なら」なります。“それならば”という意味です。
「おいとまいたしましょう」とか「ご機嫌よろしゅう」などと言われたときの,返す言葉として,「左様なら」と使います。
それが,今は「さようなら」が別れの挨拶語として記号化しているので,「先生さようなら」「皆さんさようなら」とかわいらしく用いられています。
もし,昔ながらの意味に合わせたら,日直が「起立」と言って,みんなが立った時に,先生が「帰りましょう」と一言発声し,子ども達はそれを受けて「先生,左様なら」となるのでしょうか。歴史に「もし」は無いので,こういうことを考えても致し方ありませんが・・・。
現代の時代劇は,今という時代に合わせて言葉を使っているので,見ていると武士の世界もかなり平等化が進んでいることを感じます。そういう感じ方ができるので,昔の映画は面白いです。
昔の時代劇などのポスターを見ると,武士の頭の剃っているところ(月代:さかやき)が,青くなっています。これは,青黛(せいたい)という油を塗っていたのです。通の人が塗っていたそうです。まあ,武士のおしゃれの一つです。お歯黒も現代の時代劇では消えましたが,青黛も消えています。曲げも長くなって,時代にあった格好良さが表現されています。