【横山験也のちょっと一休み】№.3486
チャットGPTに、ごんぎつねのことを質問しました。
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【質問】「ごんぎつね」のごんは、どんなきつねですか。
【解答】「ごんぎつね」は、宮沢賢治による日本の児童文学作品です。物語の主人公であるごんは、赤い毛並みを持つ野生のきつねです。
ごんは、人間の世界に興味を持ち、人間たちが作るものを盗んでは遊びに興じる不良きつねとして描かれています。しかし、やがてごんは人間たちとの交流を通じて、自分自身や自分たちの生きる森について考えるようになり、成長していく物語となっています。
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珍妙な回答なのですが、読んでハッとさせられました。
ごんは人間と交流をしていたわけではないのですが、人間社会にちょっかいを出しているうちに、道徳心に目覚めたのです。単なる悪たれだったのですが、兵十の母の死を知り、「情け」の気持ちが湧き上がってきたのです。この湧き上がりを、新美南吉は、偶然として記したのか、必然として記したのかは分かりませんが、これは、孟子のいう所の道徳心のはじまりの描写と思うので、私には必然と感じられます。
ごんはその先、情けの思いが高じ、兵十に善行をするのですが、兵十がそれに気づいてくれません。人が自分のことをわかってくれなくても気にしないことが大切なのですが、ごんはまだそこまでは成長しておらず、割に合わないと感じます。ゴンはこの先で陰徳を学ぶのが筋と感じられるのですが、学ぶ機会が無いまま兵十に見つかってしまい、皆さんご存じの結末となります。
こう解釈していくと、ごんぎつねは非常にレベルの高い作品と改めて伝わってきます。チャットGPTというAIのおかげで気づかされた思いがしています。
国語の教材研究と言うと、場面場面での一つ一つの言葉に丹念に向き合う形で進めてきましたが、今回、作品全体をざっくりと見ることもまた一つ大事な見方と思えています。国語も深いですね。
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こちらは、野口芳宏先生の『国語科授業の教科書』です。
勉強になるよい本です。