【横山験也のちょっと一休み】№.3714
NHKの「ダーウィンが来た」を見たのですが、へび年だと言うことでヘビが特集されていました。
見ていると、幼児がヘビを見つける場面が放映されました。
ディスプレイが9分割され、8か所に花。1か所はヘビ。
この場合だと、幼児はすぐにへびを見つけます。
次にヘビを8か所。花を1か所にしたら、花を見つけるのに時間がかかっています。
0.6秒遅くなるとのことです。
その理由は人類の進化の過程にあると解説されていました。
「進化の過程」という言葉に反応して、これは「進化教育学」に役立つかもしれないと思いつつ番組を見ていました。
霊長類は長い間、樹上で生活をしていました。その時、生命を脅かしたのがヘビだったのです。ヘビに食われてしまっていたのです。
食われることが続くと、その種は対策をし始めます。ヘビを素早く見つけられるように進化したのです。その名残が今も人間の脳に残っていて、人間はへびをすぐにみつけるとのことです。
ヘビをキャッチしている脳は明らかにシステム1です。
そう思えたら、この進化、教育と意外なところで接点があることがわかりました。私が好きでやっていた「巨大指示棒」です。
ある時、新聞を丸めて棒を作ることがありました。せっかくだから、その新聞紙の棒の先に矢印を付けて目立たせ、これを指示棒にしたことがあります。
すると、子ども達の受けがよく、矢印の先をよく見てくれるのです。私は調子に乗って、新聞の棒を2つうまいことつなげて、長い指示棒を作りました。それが「巨大指示棒」です。
「巨大指示棒」はかなり長いので、板書のここが大事だよと指し示すとき、私はその文字から離れたところに立たなければなりません。その時、「これじゃあ、だめだな」「子どもが私を見てしまうな」と瞬間的に思ったのですが、子ども達は不思議と棒の先を見てくれていました。
これは、どういうことだと思い、それなりに理由を考えてみました。
自分なりに思ったのは、
・私より、棒の方が面白いから
・棒の先の矢印が目立っているから
・棒が動くから
でした。
そういう面もあるのだと思いますが、「ダーウィンが来た」を見て、ヘビに類したものへのシステム1の反応と考えるとかなり納得感が高まります。
そうして、ふと思い出すと、昔は細い指示棒があり、それを使って授業をするといいことを先輩から教わったことがありました。指示棒はそれなりに効果があることを先輩たちは知っていたのだと思います。
私は途中で使わなくなりました。ちょっともったいないことをしたと思います。
もし、今、指示棒を使うとなったら、取り付けた矢印に目玉を書くだろうなと思います。
「ダーウィンが来た」を見て、「進化教育学」の材料が1つ見えました。しかも、指示棒と言う非常に珍しい所です。こういうところまで「進化教育学」が及んでいることにも驚きを持っています。有難い番組となりました。
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