平行移動を学習する時に使えるソフトです。
理屈で説明されるより,「こういう事か」と直観的に感じ取って欲しくて,作りました。
その方が理解が深くなるからです。
平行移動の特徴は,「両者が平行」ということです。
それは,頂点を結んだ赤い線分の「長さが等しく」「互いに平行」となります。
それをどうやって表現するか。これがソフト開発の考えどころです。
シンプルにして,わかりやすい。
そうなるようにと思い,ダッシュのある図形を自在にドラッグできるようにつくりました。
もちろん,頂点を結ぶ赤い線分もドラッグに合わせて伸びたり縮んだりします。
これだけでも,見た目でなんだか「距離が等しい」「互いに平行」がつかめます。
特に,左側の線分の方は,見た目が既習の平行四辺形になるので,「ああ,そういうことか!」と理解が進みます。
その上に,重要な「数の同時表現」も機能として付けました。
「?」ボタンをクリックすると,赤い線分の長さが表示されます。見た瞬間に,「確かに同じ!」と分かります。
また,方眼も付いています。方眼は数ではありません。でも,マス目を数えることで,「数の代用」となります。
機能的には「数」の側に近い存在となっているのが,方眼です。
ダッシュの図形は,この方眼の交点に吸い付くように移動します。
ですので,方眼を数えることで赤い線分の傾きが等しいこともつかめます。
作り進め,自分で動かしてみて思うことは,「やっぱり面白い!」ということです。
ダッシュの図形を動かすと,それに合わせて赤い線分が伸び縮みするのも面白いです。
線分の中央に出てくる数が伸縮に合わせてどんどん変わるのも,見ていて楽しいです。
算数・数学の面白さは,このように「学習内容そのもの」に備わっています。
ですので授業の重要なポイントは,学習そのものの面白さを正面から示す事にあります。
余談ですが,小学校で平行四辺形を教えるとき,2本の棒の端にゴムをつけて,平行の感触をつかませたことがあります。
研究授業でやって褒められましたが,棒の距離が短くなるとゴムがたるみ,離れすぎるとゴムの力で戻されてしまい,演出できる範囲が狭かったのが難点でした。
それでも,動かない図で教えるよりは,とてもわかりやすい授業になりました。
もちろん,子ども達もグイッと惹きつけられて,良い感じでした。
今は,ソフトが開発されています。誰でも良い感じで「学習内容そのもの」の面白さを示すことができます。良い時代です。