【横山験也のちょっと一休み】№.3741

左のたし算。
面白いですよね。

4が合計10個たされているので、最後の答えは4の10倍の40になります。正しく計算すれば、必ず40が出てきます。
でも、どこかで一か所でも計算間違いをすると、40は出てきません。
40が出て来るか、出てこないか。ちょっとスリリングなところを持つ面白い筆算です。

この筆算は岸本裕史先生の本に出ていたのですが、読んで実に面白く、素晴らしいと思いました。
何がいいかと言うと、
1、正確に計算したくなる
2、この長さを面倒と思わない
3、面白い
等々。

算数は正確さが命だったのですが、今の時代はちょっと変わりました。
電卓やスマホなどで自動計算してもらえる時代になったからです。次第に、正確さより見通した答え、つまり、概算できることの方が重要な能力となってきています。
それでも、小学生には正確さは大切です。それを、「間違えずに計算しようね」などと言うことも無く、子ども達の方が、「間違えてなるものか」と思ってくれる構造になっているのがこの筆算です。まさに、優れものです。

計算は面倒です。面倒なのですが、この筆算は妙に引き込まれます。面倒なことを無理にさせては・・・という時代になっているようですが、それをはねのける魅力がこの筆算にはあります。「こんな長い筆算がへっちゃらなんだね、すごいねぇ」となり、ちょっと量が多いことが逆にやる気を起こす、そういう立ち向かっていく雰囲気をクラスに作ることができます。

こういった計算が戦前には多種多様に行われていました。それを今の時代に引き継いでいるのが落研なのではないかと思っています。折を見て、落研のon-lineに顔を出してみたいなぁと思いました。

下の3冊にも面白い算数がたくさん載っています。