『法華経』ですから,お経の本です。
お経というと,お坊さんが檀家にも分からない言葉で読み上げるあのイメージが強く,そのイメージから,とてつもなく素晴らしい事が隅から隅まで書かれているのだろうな,と思っていました。
ちょうど,孔子の『論語』が「学びて時にこれを習う・・・」で始まるように,いきなりググッと心に響く内容になっているものと信じていました。
読んでみると,いきなりマックスということはありません。ちょっとダラッとした感じです。しかしながら,来るところに来ると,ググッと深みが出てきます。
お話し仕立てになっているので,説法を伺うとすると,お経の方が耳に易しいと感じます。
途中,ちょっとテレビを見ました。そうしたら,偶然ですが,お坊さんが悩みに応えるところをやっていました。番組がバラエティなので,お坊さんが解答したのは,3つの中のどれかをあてるクイズになっていました。
私は,仏教の本をきちんと読んでいませんが,3つの中でお坊さんの解答はすぐに分かりました。心に入り込む方向で応えていたからです。でも,その解答が本当に良い解答かどうかというと,微妙でした。視聴者の私にもよく分からないだけでなく,番組の出演者からも意味が分からないとやたらといわれていたからです。
番組でやっていた悩みに,もし,儒学で応えたらどうなるだろうかと,ちょっと思いました。儒学の基本は孝ですので,そこから相談に応じる言葉がでてきます。なかなか良い解答にたどり着けました。
日本で生まれ育っていると,仏教に関しては,その断片をあちこちで見聞き体験します。ですので,それでも充分な気持ちになります。
でも,野口芳宏先生の教えは「根本・本質・原点」です。できるだけ,原点にふれるように歩むことが,良い生き方に通じる道となります。
そんな思いで,この本を開きましたが,読んでみると,とても勉強になります。儒学同様の面白さがあります。野口先生の教えの道を歩んできて,本当に良かったと,この本を読みつつも思いました。
良い気持ちになったので,今日,中巻を注文しました。