【横山験也のちょっと一休み】№.2824
先日、ネットで良い本を買いました。
『授業科学研究』です。
この本は、題名のすぐ下に書いてある通り、板倉聖宣の仮説実験授業関連の本です。
理科の本はあまり買わないのですが、表紙に小さく書いてある論文名と作者名の中に、「藤森良蔵と考え方研究社 板倉聖宣」とありました。
藤森良蔵は戦前に「受験数学の神様」と言われたほどの人物で、数学者の矢野健太郎も学生の頃、藤森が出していた受験数学雑誌に取り組んでいました。
藤森良蔵論を記しているところを、少し読んだのですが、実にいいですね。
この論文中に引用されている藤森良蔵の論述を少し記します。
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教育には二つの大なる方面あり。上よりの教育と下よりの教育と、則ちこれなり。けだし<上よりの教育>とは、教師が生徒に授け与えんとする立場に立脚したる教育の謂にして、<下よりの教育>とは、教師が生徒の立場に身を置て、如何にせば彼等が受け容れ易きかという点を立脚地とせる所の教育の謂なり。 (p29)
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このくだりを読んで、これまで私が把握していた藤森良蔵の教え方がより鮮明になりました。
現役の頃、藤森良蔵の『算数母の心構』を読み、大いに影響を受けました。その考え方が「桃太郎の繰り返し」です。
それが<下よりの教育>の一つの具体例とわかったのです。
「桃太郎の繰り返し」論の良さを改めて感じています。
それにしても、戦前に<下よりの教育>を推進していたのです。
大したものだと思います。
算数の「手づくり教材」がたくさん載っています。
「スイートポテト」など、まさに、<下よりの教育>タイプの手づくり教材です。 |
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