【横山験也のちょっと一休み】№.3615
「夢中で算数チャンネル」に記念すべき1本目の動画がアップされました。
「不等号さかなクン」です。
くちびるが不等号になっています。
それだけでも楽しいのですが、この不等号さかなクンは「大きい数が好き」で「大きい数を見ると食べたくなる」性質を持っています。ですので、2つの数を書いてその真ん中に不等号さかなクンを置く場合は、必ず、大きい数の方を向けます。
こういう楽しい教材が古くから伝わってきているのですが、これとは別に不等号の意味を教える方法があります。
左の「大小の説明図」です。
学生の頃に読んだ算数教育の本に載っていて、なるほどと感心した覚えがあります。
「さかなクン」も「大小」も、どちらも不等号の学習に有益です。が、ちょっとした違いがあります。
「さかなクン」は楽しい。
「大小」は不等号の記号の意味がよくわかる。
それぞれに良さがあるので、授業ではどっちを先に使っても問題無さそうと思えるのですが、感覚の良い先生は楽しい方を先に使います。理由は簡単で、魚を出すと子ども達の脳が全開状態になるからです。
若いころはパチンコにも行っていたので、さかなクンの方はチューリップが開いた状態になり、知識と言う玉がじゃんじゃん入るが、大小の方は普通の穴のままなので、なかなか玉が入らない、というような説明をしていました。稚拙ながらも、なかなかいい線言っている比喩です。
諸野脇氏と再会して以降は、脳への影響に違いがあることを知り、私の説明も変わりました。さかなクンは子ども達の「感覚の脳」に喜びの刺激としてキャッチされます。そのため、頭が学習をグイッと受け入れる状態になり、そこに、赤か青かと問われるので、自然と「考える脳」も動き出し不等号の意味がすんなり伝わります。
これが、もし、先に大小を示されると、「感覚の脳」に受け入れる前に「考える脳」に働きかけることになります。授業が始まったということで、頭がスタンバイ状態になっていればいいのですが、そうでも無い子に、いきなり「考える脳」を使いなさいとしても、思うようには行きません。「考える脳」は普段は寝ているからです。また、「感覚の脳」に嫌われると、「考える脳」は起動しません。
ということで、さかなクンで楽しんだ後に、大小の話をしてあげると、子ども達は不等号の記号の線が斜めになっていることの意味も知れて、ちょっとした不等号通になっていきます。
「夢中で算数チャンネル」には、さかなクンでもなく、大小でもない、楽しい教材がもう一つ出てきます。登場まであと数週間ほどかかりますが、どうぞお楽しみに。
下の3冊の本には、いろいろと楽しい算数のアイディア教材が載っています。小学校の先生、ぜひ、お読みください。