2022年04月05日(火)22:15:55

「一分を立つ」

【横山験也のちょっと一休み】№.3289

「武士の一分」という映画があり、そのタイトルに引き付けられことがあります。
「一分」の意味を明確に言えなかったので、辞書で調べたら、「一身の面目」と出ていました。
その「面目」を調べると、「世間への名誉」のような意味合いと出てきます。

一応、これで完結して、それなりに自分の中で落ち着いていました。

ここで、先日、購入した『類語の辞典』です。
明治末期の辞典ですから、明治期の言葉や意味が出ています。

たまたま開いたページに「つくす」の見出し語が出ていました。
その用例として、
◎親に孝を尽くす 尽孝ジンカウ
◎顔色を和げて親に孝を尽くす 色養シキヨウ
とあり、頭に論語が浮かび、ちょっと気持ちが高まりました。

それで終わっていたのですが、そのページに付箋を貼っておいたので、今日もまた、そのページを開きました。
すると、多数ある「つくす」の用例に、
◎義務を尽くす
と出ています。
その意味が、「いちぶんをたつ(立一分)」。
一分は、現代では面目という意味合いになっていますが、明治には義務として意識されていたことになります。
何となくですが、「一分」の意味に、芯ができしっかりしたと感じられています。

パラっとめくったところに、「奴隷」の項が合ったので、読んでみました。

自由を束縛せられて国法の保護を受くることを得ざるひと

後半がいいです。読めば確かにその通りと感じてきますが、読まない限り、この視点は得られなかったように思えます。

小学校の先生がこの『類語の辞典』を持つ必要はないですが、国語に力が入っている先生には、視野を少し広げてくれるいい本となりますね。

こちらは、私の算数の本です。
この本には、算数の授業が楽しくなるアイディアがたくさん紹介されています。
この本に登場するネコちゃん、可愛いです。

ことば,
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