【横山験也のちょっと一休み】№.2993

お正月の2日に注文をした古書『洋算訓蒙図会』が届きました。
日本の古本屋での注文ですので、きちんとした古書店から届きます。
封を開くと、さすがは古書店からの本です。状態がとても良いです!

届いた本は明治2年の発行で、洋算の初歩を児童向けに分かりやすく書いた本です。私にとっては貴重な本です。

この本に書いてある算数について、何か書けばいいのですが、使われている漢字に今私がビックリしているのでそれをご紹介します。

ビックリしたのは、赤枠の漢字です。
「覚える」の「覚」ですが、この冠の所に片仮名の「ホ」があります。
これ、昨年の11月に書いた「学」の字形と同じなのです。<こちら
その時は漢和辞典で旧字体を見てみたのですが、そこには出てきませんでした。
そこで、今回は崩し字について調べてみました。
すると、「ホ」のつく「覚」の字は、『好色一代男』でけっこう使われていることがわかりました。
『好色一代男』は江戸時代(1682年)の作品ですので、江戸時代にはよく使われていた字形と伝わってきます。
ついでに、「学」の字も調べてみたら、これもまた『好色一代男』で使われていることがわかりました。

つまらない所からですが、『好色一代男』も読んでみたいなぁと少しだけ思いました。

ということで、江戸時代に使われていた字形と分かったので、まずは大満足です。
この先は、この「ホ」が一体何を表しているか、それがわったらいいだろうなと思います。
これも気にしているといつかどこかで偶発的にわかるので、これから先の楽しみになります。

こういう経験をしていると、勉強というものは確かに自分であれこれと進めることができるのですが、偶発的な運のようなものがその全体に大きく横たわっているように思えてしまいます。
気に留めることは運気を上昇させる一つの作用なのだろうなと思います。

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