【横山験也のちょっと一休み】№.3639

SG会の5月例会に参加しました。
今回は、植草学園大学の時代先生が参加されていました。
時代先生は2月の定例会にも参加していましたが、その時のレポートが私には刺激的でした。

レポートは中国の幼稚園や小学校の教育について記されており、その中の写真に、小学生が漢字の練習をしているプリントが映っていました。よく見ると、漢字の下に小さな文字でアルファベットが書いてあります。何となく、日本で言う所のフリガナのように見えます。「これは漢字の読みを示すフリガナなのか」と聞きたかったのですが、たまたまこの日はご家庭の都合があり、勉強会だけで帰宅されたので、聞けずじまいでした。実に残念と思っていました。

その時代先生が3か月ぶりに参加して下さり、懇親会も参加とのことでしたので、あれこれ気になっていたことを教えてもらいました。

1、中国では漢字のルビにアルファベットを使っている
話を聞けば、漢字の脇に書いているアルファベットは、漢字の発音を表すものだとのことでした。「薔薇」という漢字の脇に「ばら」と書いてあるようなもので、子ども達は漢字を書いて脇に読み仮名であるアルファベットも書いて勉強しています。

2、台湾ではピンインで振り仮名
時代先生のレポートが気になってから、5月の例会までの間に、たまたま昔の仕事仲間(熊野さん)からいただいた台湾の子ども向け本を開くことがありました。すると、そこには漢字の脇に奇妙な文字が記されています。その本の写真を撮っていたので(『中國圖書的故事』)、時代先生に見せると、「この小さい字はピンイン。私も読めない」とのことで、発音を表す文字であることがわかりました。
文化大革命で漢字が簡略化されとき、ピンインも使われなくなり、アルファベットに代わったそうです。

ここまでの話を聞いて、振り仮名を使う地域として、中国・台湾・日本の3つがあることがわかり、かなりいい勉強になりました。
事のついでに、朝鮮半島で使われているハングルの話題にもなり、ハングルはもともと漢字の振り仮名として存在していたのですが、反中国が高まり、漢字を使わなくなり、振り仮名のハングルが残り、今に至っているとのことです。

3、論語は読まれていない
私の好きな「論語」についても中国の様子を聞いてみました。すると、文化大革命で孔子の思想はダメとなり、その後、子ども達が論語を読むという習慣は無くなったそうです。今は、伝統の一つとして教科書に少し掲載されている程度とのことでした。

時代先生は中国の研究者で、日本の大学でも教鞭を執っています。もちろん、日本語も達者です。異国の力のある先生と親しく話ができ、良い一日となりました。