【横山験也のちょっと一休み】№.2223

算数ソフトの【学年版】が「さくら社SHOP」で発売になりました。
学年分の算数ソフトが丸ごと入っているので、「これは便利!」「これで5000円(+税)は安い!」と、お声をいただいています。

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【学年版】【単元版】、それぞれ別のサイトです。
ですので、それぞれで会員登録が必要です。

この算数ソフトを使うと、不思議と算数の授業が楽しくなります。
進度も良くなります。
時間にゆとりが生まれて来たら、ちょっと頭を使う問題を出題するのも楽しいです。

さて、前回の「計算方法を考える問題」が大好評でしたので、引き続き類題をご紹介します。
今日は極めて珍しい筆算が登場します。
この珍しさは今回限りと思います。
どうぞ、楽しんでください。

■計算方法を考える問題(2)■
まず、黒板に「268- 189」と書きましょう。
それから、実際に計算をしてもらいます。
子ども達は、習った通りに筆算を書き、ひき算をしていきます。
そうして、答えは「79」になります。

このひき算、基本的には次のように計算をします。

・ 一の位から順に引いていく。

基本に忠実に引いていくと、繰り下がりが2回もでてきます。
「8-9」
「6-8」
これは危ないです。ミスが起こりやすいです。

そこで、昔の人の中には、ちょっと知恵を出して工夫して計算をした人がいました。
その人のやり方をご紹介しましょう。

というような解説をして、下の図を板書します。

いったい、どんな風に考えたのでしょうか???

一目見て、「奇妙!」と感じます。
しかし、どれもこれも見たことのある数と記号です。

「-」もあれば、「+」もあります。
268が2と68で微妙に分かれています。
変なところに点線があります。

「なんだこれ??」と思いつつも、暗号解読のような気分になり、習った計算力を動員して考え始めます。
その解決のヒントになるのが、元の計算式です。

気づく子は「189が211になっている所がどうも怪しい!」などと思い始めます。
そうして、子ども達の考えを聞いたら、先生がおもむろに、少々勿体ぶって、その仕組みをお話ししましょう。

「189」は「200-11」です。
そこから、「-189」は「200を引いてから、11を足す」と考えたわけです。
それを式で表すと、下のようになります。
268-189=268-(200-11)=268-200+11
この「-200」と「+11」を一緒に表したのが、

-)2 11(+

なのです。
位取りをうまく利用した、なかなかセンスのいいやり方ですね。

ついでと言っては何ですが、
・括弧を使うと論理的に説明ができる。
・筆算は計算を確実に素早く行うために開発されたツール。やり方を工夫してみるのも、いい頭の働きになる。

そんなことにも、少し触れておくのも良いですね。
おしまい。

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