【横山験也のちょっと一休み】№.3267
算数の本を開くと、そこには算数の話題がわんさかと出ています。
「すごい!」とうなる内容もあれば、線を引くこともなく通過していく部分もあります。
大方は通過が多いのですが、それでも、所により「ちょっといいね」も出てきます。
「ちょっといいね」と感じる内容は、「B級算数」です。
これを大事にメモしておくと、後々、「夢中で算数」に昇格することがあります。
昔の本を開いたら、そこに約分の例題が載っていました。
「既約分数」です。
懐かしい用語です。
ベテランの小学校の先生で、算数にあまり力が入ってこなかった先生は、「何だったかなぁ」となるかもしれません。そうなってもおかしくないほど、小学校では出てこない言葉です。
この「既約分数」の反対言葉があります。
それをご存じの小学校の先生は、かなりの算数通です。
「既約分数」は既(すで)に約分できない、つまり、約せない分数です。
その逆ですから、国語好きの先生でしたら、推測できそうですね。
さて、162/234を約分するのですが、この本に下のように出ていて、それを「余リ結構ノモノデハナイ。」と述べています。
パッと見て、「数字1個にスラッシュ1つ」というのがダメなのかもしれないと思いましたが、根本的なところで、このやり方は薦めていません。
読むと、他人に見せるようなやり方ではないうえに、間違いも起こりやすいとしています。
「これじゃあ、人に見せられないだろう!」と言うセンスが、妙に新鮮です。
「算数として、恥ずかしいだろう!」と言っているのです。
今は多様な考え方、多面的なものの見方が重視されているので、稚拙だろうが何だろうが、あれこれあった方がいいのです。
そういう時代ですから、こういう「算数として恥ずかしい」という上下をつける考え方は、時代的に受け入れがたく思いますが、算数好きとしては、この感覚も歴史的遺産として持っておくことは大事なことだと思っています。
では、どういうやり方が算数として立派なやり方なのでしょう。
途中までですが、このように行うのが良いやり方なのです。
これをみて、「おーっ、さすが!」と思える先生は、さすがです!
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楽しいページを久しぶりに開いたので、気分は爽快です。
今日は、「びよよん分度器」を自分で作って楽しんでいました。こちらはB級算数ではなく、明らかに「夢中で算数」です!
※文献『覚え易い 算術の講義』(根津千治著、萩原星文館)
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下の2冊は私の算数の本です。
小学校の授業で使える面白い算数が載っています。
「びよよん分度器」は載っていませんが、もっと面白い「わり算の筆算のスイートポテト」が載っています。
算数がちょっと気になる先生、お読みいただけたらと願います。
ネコちゃんも登場します。