【横山験也のちょっと一休み】№.3493
本を読んでいたら、「僚友」と「執友」という言葉が出てきました。
親友や旧友、学友などは知っていましたが、この2つは使ったことの無い言葉なので、どういう友なのかよくわかりませんでした。
いつものように、辞書で調べました。今回使ったのは広辞苑。
僚友:同じ職場で仕事をしている友だち。
執友:志を同じくする友。
この2つを調べてみて、ふと、もっとたくさん「〇友」があるのではないかと思い、調べてみたら、非常にいい友が出てきました。
尚友:書を読んで古人を友とすること。
「尚」には、「ねがう」とか「たっとぶ」という訓読みがあります。自分にとって歴史上の尊い友という意味なのだろうと思います。
だからと言って、「尚友孔子」とか「尚友吉田光由」と書いたら、不遜と自ら感じます。尚友と語らうという程度で使っていきたい言葉です。
この尚友、いつごろから使われていたかも気になったのですが、偶然、『孟子』に載っていることがわかりました。
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古(いにしえ)の人を尚論す。其の詩を頌(しょう)し、其の書を読むも、其の人を知らずして可ならんや。是(ここ)を以て其の世を論ず。是れ尚友なり。(新釈漢文大系『孟子』P376)
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尚論は、昔にさかのぼって論究することです。それができるぐらいにならないと尚友とは言い難く感じます。孟子は厳しいですね。
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こちらは、孔子の弟子がまとめた論語を日めくりにしたものです。毎日、1枚めくっていますが、これを読むと、たまに、「孔子と友達になって、話してみたいなぁ」と思うことがあります。ほんの少し尚友なのかもしれません。