【横山験也のちょっと一休み】№.2845
小学校の先生になりたての頃、ちょっと変わった本に熱を上げていました。
『日本語はどういう言語か』(三浦つとむ、季節社)
『日本語の文法』(三浦つとむ、勁草書房)
両方とも文法書です。
でも、学校や受験参考書で覚えてきた文法とは、見方が全く違っていました。
文法は既に決まっていて、別の文法は無いものと思っていたので、三浦文法は私には衝撃的でした。
その考え方も刺激的だったのですが、それ以上に、心に刻み込まれたことは、「今の常識は未来永劫の常識ではない」という、常識も移り変わるもので、今と言う時は、その変化の過程の中にあるという見方を得たことです。
こういう若い頃の感銘は、先生という仕事を続けていると、次第に消え失せて行きます。
現実に流されてしまうからです。
ところが幸いなことに、私の場合、野口芳宏先生など名人と言われる先生方からたくさんのことを学べるチャンスに恵まれました。
教育界の常識に物を言う先生方ですので、講座を聴くだけでも、変化の渦中に今があることが再確認されてきます。
「根本・本質・原点」「不易流行」など、野口先生の物の見方・考え方は、私に思考をやめるなと言い続けている言葉でもあります。
おかげで、流されつつあった「変化の中の今」を思い返させてくれ、思わぬ発想を得ることができています。
今日も、ちょっといい気分な1日だったので、昔懐かしい三浦文法書をほんの少し読み返しました。
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