河合隼雄先生の『こころの最終講義』を読んで,読書熱が高まり,今日は本居宣長の「玉勝間(たまかつま)」を読みました。
何度読んでも,ズシンと響いてきます。
それは,学ぶ人の学ぶ姿勢がしっかりと記されているからです。
◎未熟な学者が,心はやって唱え出す新説は,一途に「他人より優れよう,勝とう」という気持ちで,軽率に,前後を十分に考え合わせずに・・・・
戒め的に,自分に降りかかってきます。
◎だいたい旧説は十の中で七つ八つの点は悪いのも,その悪いところをおおい隠し,僅かに二,三の用いるに足る点があるのを特に持ち上げて,出来る限り援護採用する。新説は十のうち例え八つ九つの点はよくてみ,残りの一つ二つの悪い点を特に批判して,八つ九つの良い点をも抹殺し・・・・
新説を唱えるときに,何に留意すべきか,示唆多いところです。
こういう内容がビッチリ載っています。
天狗にならないように自分に語りかけるに,ちょうど良い書です。
本居宣長と言えば江戸時代の国学者です。
まことの日本を愛し,研究した人です。
そのまことの日本は何かというと,これは「玉勝間」を読んでも分かりません。
古事記と万葉集を読まないと分からないのです。
その学びには,本居宣長の「古事記論」は読んでおかないとなりません。
「古事記論」までは踏み込む予定はなかったのですが,学びにも勢いというものがあります。
明日から読み進めてみようと思っています。