【横山験也のちょっと一休み】№.2804
初めて小数を学ぶときに、「小数点君」が登場すると楽しくなります。
右はその場面のイラストです。
描いてくださったのは、ゴトウマキエさん。
ネコも手を挙げています。
それだけで、嬉しいものを感じます。
2.5のような小数は、明治時代に西洋から輸入されたものですが、この小数の原型を作ったはベルギーのシモン・ステヴィン(1548-1620)と言われています。
その表記は、今とは少し違っていました。
2.536でしたら、左のように表していました。
小さい数字を見ると、「小数第1位」「小数第2位」「小数第3位」と言うときの1、2、3だと伝わってきます。
ステヴィンがこれを発表したがの1584年ですから、今から400年ちょっと前です。
日本は戦国時代です。
歴史的には、それほど昔というわけではありません。
なにしろ、小数のような表し方は日本では奈良時代から、中国ではもっと昔から使っていたからです。
日本では分厘毛などを使って表していましたが、ステヴィンはそれを数だけで表現したところが、私などには大変な画期性として見えて来ます。
文献を読みますと、ステヴィンが複利計算をし、その表をつくるにあたり、分数で書いていたのではとても大変だったため、すばやく書けるようにと上記の表現を作り出したそうです。
当然、その考え方の土台は分数にあります。
分数の中でも、1/10、1/100、1/1000という特別な分母を使っているわけです。
ですので、小数は分数の特別な場合での表現であることが、小数という言葉に残っています。
分数:fraction
小数:decimal fraction(十進分数)
※decimal system=十進法
こういう由緒ある小数なのですが、その小数を授業で教えるとなると、私のモードは楽しませたいなぁとなります。
ジッと考えていたら、小数点君にたどり着きました。
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