【横山験也のちょっと一休み】№.3499
中江藤樹の「翁問答」を少し読みました。
以前にも読んだことがあるので、今回はゆるゆると作品の心に触れられるように読めたらいいなぁと思いつつ、読んでいます。
そういう思いで読んでいても、なるほどと妙に感心することがあれこれあり、結局はいつものような読みになっています。
翁問答はタイトル通り、問答ですので、体充(たいじゅう)というお弟子さんの質問を受けて、師匠の中江藤樹が答える形で記されています。
読み進めていくと、論語などの本をどの順で読むと良いのかという問答がありました。
藤樹が数ある本の中でも、十三経を読むとよいと話したら、弟子の体充は13もの本全部は無理そうなので、1つか2つ読んで、大筋を学べる書はどれかと尋ねます。
十三経というのは、孝経、論語、孟子、周易、尚書、周礼、儀礼、詩経、礼記、左伝、穀梁伝、公羊伝、爾雅(じが)です。
この中のどれからと藤樹が答えるのですが、その答えに、藤樹の読み込みのすごさを感じました。
藤樹は、本来、易経をおしひろめたのが十三経なのだと話します。そこを読んだ私が、体充を押しのけて「そうだったのか」と思わず口にしそうです。
だから、基本は易経を読むこととなるので、どれか1冊となる易経となります。しかしながら、藤樹は、易経は根本ではあるがかなり難しいので、孝経・大学・中庸を学びましょうとしています。
私も易経を読みましたが、「何が何だか」状態になります。これを味わうように読める人は、古典の専門家だけではないかと思います。
藤樹は、その3冊が終わったら、論語と孟子を進めています。
私の場合は、論語から入ったので、「まずは論語でしょう」と答えています。論語を読んだら、気になる本を読み、また論語に戻り・・・の繰り返しという感じです。
そういう読み進めでも、次第に慣れてくると、本を読む感覚が以前よりいい感じになってくるから不思議です。論語などの儒の教えの本は、心が温まります。
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こちらは、論語を日めくりにした『教室論語』です。毎日、1枚めくって、いい気分になっています。