中村健一先生の新刊『つまらない普通の授業に子どもを無理矢理乗せてしまう方法』(黎明書房)です。
まあ,面白いタイトルですね。
このタイトル,真面目に読むと意味が逆転しそうです。
真面目な国語の先生は,このタイトルを真剣に読まない方が良いでしょう。
第1章は「授業の最初に教室のムードを支配する」です。
「教室のムードを支配する」という考えは,いいですね。
これができると,「開放」も支配できるようになるからです。
第2章もいいですよね。「テンポさえ良ければ子どもたちは授業に乗ってくる」
少し早口なぐらいで話すと良いことがしっかり書かれています。
若い先生は中村先生ぐらいのスピード感がいいです。(実際に御本人の講演を拝聴してみてください。絶妙のスピードです。中村先生の口調はお勧めです)
ベテランになったら,福山憲市先生ぐらいのスピード感がいいです。
それより遅いと,厳しいでしょうね。
こんな風に書くと,「そうか,速ければ良いんだ」と勘違いする人がでてきそうです。
テンポ良く話ができる。この状態を作るには,何かが必要となります。
頭の中に話すべき内容が密度濃く入っていることです。
知らないことを,テンポよく話すことは不可能です。
聞き手より,遙かに詳しく知っているから,軽快に話すことができるのです。
中村先生が軽快に話せるのは,ほんとうにあれこれよく知っているからです。
平素から勉強家であるのが中村先生なのです。
その上での妙味が,第2章にたっぷり書かれています。
第3章は,いよいよ授業!という内容です。「授業への全員参加を保障せよ!」
これもいいですね。
ここに書いてあることを,臨機応変に使えるようになるといいです。
新人を教育する立場にある先生は,この第3章を若い先生にみっちり教えてほしいです。
次は,「普通の授業を質の高い授業に変えてしまう方法」を期待しましょう。
その時には,算数編で「算数ソフトを使うべし!」とビシッと決めてもらえるとうれしいです。