【横山験也のちょっと一休み】№.3274
昨日の話です。
神保町の古本屋街では、古本市の準備が進んでいました。
明日からスタートするようで、「一日早く、来てしまった」と思いつつ、いつもの明倫館へ。
今日は珍しく、レジの真ん前にある和算コーナーへ。
いつもはチラ見して通過しているのですが、今回はちょっと覗いてみたくなり、数冊手に取って中を開きました。
久しぶりの和算コーナーだったからか、良い本と出合えました。
その一つが、左の本です。
『日本数がの新知識』(下平和夫、萩野公剛共著、富士短期大学出版部)
表紙にある下平先生は日本の数学史の本を出している有名な先生で、自宅の本棚にもあります。
内容的にはまずまずと感じていたのですが、下平先生のお名前と、この本がガリ切りの200部限定販売の書ということで、購入しました。
今の時代はネットで本が買えるので、いつ買ってもだいたい購入できます。
しかしながら、古本にはレア本があり、それは待ったが効きません。
今回は限定200部ですから、この機会を逃すと、一生手に入らないと思い、レジに持って行きました。
家で少し読んだのですが、思った以上に内容が良いです。
数学史の年表があり、そこに分数の話が刊行本に出たのは1663年とありました。
この年表が、社会でよく見る年表とは微妙に雰囲気が違っているように感じました。
社会の年表は歴史的に重要な出来事が中心なのですが、この本に載っている年表は重要度というより、用語が中心になっています。こういう年表もあるのかと、妙に親しみを感じています。
いい刺激を受けたので、エクセルで私なりの算数年表を作ってみるのも楽しいかもしれないと思いました。例えば、「石のサイズの表現が登場したのは風土記」と簡単に並べていけば、自分向けの辞書にもなりそうな気がします。
こういうのはワクワクします。
優れているのは、入門者向けと研究者向けにアドバイスが述べられているところです。その内容が良い勉強の仕方になっています。
「両著者先生は相当にレベルの高い人物なのだろう」と思えたことが嬉しく、萩野先生のことはよく存じ上げないのですが、この本に載っていた萩野先生の本を別途日本の古本屋で注文しました。
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日本の数学史も楽しいです。
同様に、こちらの2冊も楽しいです。何しろ、私が書いた本です。
算数の授業が楽しくなるアイディアがたくさん紹介されています。
この本に登場するネコちゃん、可愛いです。