意外なのですが,この『日本の仏教』は学級経営の根本的なところに役立つことが書かれています。
「形を重視する」ことの大切さです。

とまあ,このような結論めいた内容を示されても,そんなことでは人の頭は納得しません。
学級経営には「形」といわれるものが存在しています。
例えば,「起立」と言われれば,立ち上がり気をつけの姿勢をします。
これも一つの形です。
このような形を取らないと集団の挨拶ができないのかというと,そんなことはありません。
座ったままの会釈でも,挨拶をしたことになります。

なぜ起立をしたくなるのでしょう。
なぜ起立をさせたくなるのでしょう。

こういう具体的なことが書いてあるわけではありません。
たとえば,起立のようなことがなぜ生じるのか,そこに日本人の気質がでて来ているのです。
そのことが仏教というフィルターを通して,実に良く示してくれているのがこの本です。

直接的に役立つ事ではなく,腹にズシリと来る,そういう本です。
武道や茶道など「道」と名の付く修行を体験されたことのある先生は,良い感じで腑に落ちると思います。