【横山験也のちょっと一休み】№.2367

■新納先生の割合がナイス!!■
少し前に、「もとにする量」の別名を知っているとという記事を書きました。
それを、岡山の友達の新納先生が読んで、3年生の授業にいい感じにアレンジして、ナイスな授業になったことを教えてくれました。
とてもいい実践ですので、ここにご紹介します。
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今日の算数で面白いことがありました。
以前,先生の「kyositu.com1299◆算数授業のヒント(16) 「もとにする量」の別名を知っていると」で 「古い方」「新しい方」で元の量と比べる量を 考えるという話がありました。

3年生の算数で,今, 「かくれた数はいくつ(2)」というのを学習しています。
これは,「本立てに本を立てます。9冊立てると,幅が54㎝の本立てがいっぱいになりました。1冊の本の幅は何㎝でしょうか。」という問題です。(教科書が手元にないので,うろ覚えですが,こんな感じの問題です。)
ここで,先生の冒頭の話を思い出し, この話を「古い方」,「新しい方」で考えさせてみました。
なかなかイメージができなかったのですが, 話の流れとしてどうなのかいう視点で考えさせました。
しばらくやりとりがあって,子供達は何となく, 話の流れで,1冊の本があって,それを本立てに立てたら 54㎝の本立てがいっぱいになったと分かったようです。

そして,これを関係図に書いてみました。
子どもたちは初めて聞く言葉です。(啓林館の算数の教科書はこの関係図が 数量関係(割合)でわ使われています。
これを,四角を二つ書き,左が古い方, 右が新しい方として, その関係を考えさせました。

すると,感覚的に,左の四角に1冊の本□㎝, 右の四角に本立て54㎝と答えました。
「このあいだには矢印があります。
この矢印は古い方から新しい方へ進みます。」
と言って,二つの□の間に→を書きました。

→にはどんな言葉当てはまるかな? と尋ねると,9冊だから9倍かな という声が。
すると,じゃあ,書いてごらんというと,

という関係図を書いていました。
ほぼ教科書のものと同じで子供達は驚いていました。

それじゃあ,この□㎝はどうやってもとめるのと聞くと, 54÷9で6 答えは6㎝となりました。

次の問題は, バケツで水を運びました。
8回運んだら,水槽の水が48ℓになりました。
バケツは何ℓ入りますか。
という問題でした。 これも,話の流れを考えさせると, 今度はスムーズに


ができました。(これにはびっくり)

この関係図は,教科書には穴埋め式でありました。
なので,この□に当てはまる言葉を考えて書くのですが, これまたほとんどの子が書けていました。
そして,答えも 48÷8で6 答えは6ℓとなりました。

今度は子供達から,「先生,すごい!」拍手が起きました。 子供達にとっても,私にとっても,とっても楽しく満足した授業になりました。

まだ十分な検証もないのですが, 「古い方」「新しい方」で元の量と比べる量を,というのは かなり守備範囲の広い考え方になるのではと その可能性を感じました。
この可能性をさらに追求していきたいです。
特に,啓林の教科書では,この関係図は かなり重要な考え方なのですが, これが十分できていなくて,苦労している 4年生以上の児童はたくさんいます。
そのためか,割合を苦手としてる児童も多いです。

また教える方も,これと言った 決定打がないのが実情です。
たまたま先生のお話を読んで, 授業の直前に閃きました。
また試行錯誤しながら,目の前の子供達と 一緒に考えながら学んでいきたいと思います。 うまく伝わったから分かりませんが, 嬉しくて報告させていただきました。(分かりくい上に長文で大変失礼しました。)
先生,本当にありがとうございました。
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線分図は左が1になるので、1の方が古い出来事に自然となりますね。
「なるほど!」と思いました。
こうした実践を通して、割合関連の学習をその10%でも20%でも、子どもたちができる方向に前進させられたら、それは算数教育史に輝く内容となります。
新納先生の今後の研究が楽しみです。

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