【横山験也のちょっと一休み】№.2127

「第3回主張ある道徳授業を創る!」のセミナーが中止となりました。
楽しみにしていた先生もおられると思いますが、また、別の機会にお会いできたらと思います。

■野口塾in相模原■
野口塾の新年は相模原から。
そんな感じのin相模原で、充実した内容の1日でした。

写真は山中伸之先生の講座です。「仏の銀蔵」を題材とした再現構成法による道徳授業です。
山中先生の話に聞きほれつつ、授業が進みます。
「さすが、語りの名人!」と、つくづく思いました。

山中先生が「仏の銀蔵」を扱ってくれたので、私も普段より真剣に作品を読むことができました。
講座やサークルは私の真剣度を高めてくれるので、ありがたい世界と思っています。

この「仏の銀蔵」ですが、銀蔵が心を改めています。
ここが一番重要な道徳です。
銀蔵は良い形で改めています。
この1点だけで、道徳として価値の高い作品になります。
私の感覚ですが、ランクAです。

しかし、改めた結果が今一つとなっています。何というか、もったいないです。
残念に思ったのは、改めた後の銀蔵がお金を貸す仕事を選んでいないことです。

単純に考えて、この村ではお金に困ったとき、もう貸してくれることを専門とする人がいなくなったのです。
これは村にとって良いことなのでしょうか。

また、銀蔵が職業をかえたことにより、「お金を貸す=高利貸し」という図式ができてしまったように思えます。
悪く言うと、お金を貸す職業は悪い職業とも感じ取れてきたのです。

二宮尊徳の本を読んだことのある人が、「仏の銀蔵」の執筆に関わっていたら、話の終末は変わったでしょうね。

心を改めた銀蔵には、次のような人生を歩ませたと思います。
1、低金利で貸し出す。
2、借りた人がお金をきちんと返せるように、借りた人の仕事などにアドバイスをする。(アドバイスがなぜできるかは、二宮尊徳の本から学べます)

改めた後をどうするか。
その時に大きな指針となるのが歴史上の人物なのです。

教科書に載っている話は書き換えられませんが、授業で話の終末を工夫して扱うことはできます。
もし、歴史上の人物が登場する形で取り組めたら、この作品のランクは一段あがります。
重要な道徳が2つになるので、私の感覚ではランクAAです。
改めることが重要と学習してきた子どもたちのクラスに、うってつけの教材となります。
「仏の銀蔵」は中学の教材のようですので、その配置の良さも光ってきます。

「重要な道徳」という感覚は、道徳読みを実践研究している先生から自然と出てきています。
道徳の中にも軽重があることを、実践的に把握してきます。
ここが意図的になってきて、次第に新しい世界が開けてきます。
そういう道徳的発展のある「道徳読み」に感動を覚えます。

■実感道徳研究会■
翌日は品川で開催された実感道徳研究会でした。
1日中、道徳の話ですので、実に良い勉強になりました。

こちらの写真も山中伸之先生の講座です。
「卓球は4人まで」が題材でした。
山中先生の語りで進んでいく授業でしたので、こちらも吸い込まれるように授業に入っていけました。
授業後、板書を撮影している先生がたくさんいたので、私も記念に一枚とりました。
山中先生にもちょっと脇に立っていただきました。

■「道徳読み」■
実感道徳で、私は「道徳読み」の話をしました。
道徳読みの概略を順だって進めました。

実に驚いたのは「発表」の所でした。
4人組で発表をしてもらったのですが、どこもかしこも極めて熱心に話が進んでいます。
「道徳の力が高い人が話し合うと、こうなるのだ!」と思った次第です。
このレベルが教室でも起こりえる。
その可能性を感じ、もう、それで十分な収穫でした。

実にありがたいと感じたのは、熊谷先生が応援で駆けつけてくれたことです。
嬉しさのあまり、私の話へのフォローもしていただきました。
そのスピーチのさわやかさに、「道徳読み」の道をしっかり進もうと強く思いました。

「道徳読み」の本は3月に発売されます。
タイトルは、『「道徳読み」』です。
編著者は島根の広山隆行先生です。
非常に楽しみな1冊です。

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