入学前の算数ソフトです。
10~19の数の学習用ソフトです。
「数の学習」と言っても,その中には,重要な概念が幾つか入り込んでいます。
それを全部まとめて学習することは出来ません。
重要な概念を小分けにして,勉強します。
このソフトでは,「1つずつ数える」という,「数と数唱」との一対一対応には,重点を置いていません。
まとめて,「10といくつ」という,位取りをちょっと意識した全体のとらえ方に力を注いでいます。
ですので,「?」ボタンをクリックすると,まず,10の束が出来るように作られています。
そうして,もう一度クリックすると,1のバラが幾つあるか学べるようになっています。
そうやって数を「10と幾つ」と学ぶところから,「15」などの表現を勉強できるように作っています。
たぶん,このソフトを見た子は,15を105と思わなくなると思います。
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この15を105と書いてしまう子がいます。
算数としてはイマイチとなりますが,日本語の表記は,「言ったとおりに書く」のが大原則になっています。
ですから,10・5と思って,105と書くのは,大原則に則った正常な頭の持ち主なのです。
じっさい,1や2などの算用数字が入る前の日本人は,「十五」と漢字で書いていました。
言ったとおりの表記でOKだったのです。
それが,明治になって,西洋の算用数字が輸入され,「十五を15と書く」なんて約束が強引に入り込んできました。
理屈抜きです。そういうものだから,そのように覚えなさいとされてきたのです。
ですので,明治初期の頃に算用数字を学んだ大人は,「15」をみて,「じゅうご」と発音しながらも,きっと心の中では,「いちご」ではないかと思っていたことでしょう。
言ったとおりに表記できない,このイレギュラーな表記を6歳前後でマスターするのですから,日本の子は大した能力を持っていると感じます。
「15」を「じゅうご」と読んだり,「じゅうご」を「15」と書いたりできたら,それは,かなり大きな山を越えたことになります。