【横山験也のちょっと一休み】№.3740

諸野脇氏のレポートと同様にレベルの高いレポートがあります。小川氏のレポートです。タイトルは 規律ある集団をつくる大原則 です。

このレポートの中に次の言葉が記されていました。

教育の世界では、「未だに天動説を信じている」人が多いのです

もちろん比喩的な表現です。
レポート全体を読み、当然この部分も読み、それでいてこの比喩が何を言い表しているのか分からない状態にあるのが今の教育界なのだと言っているようにも読めます。

この部分を読み、これは実に明快な比喩と感心しました。
天動説から地動説へと思考が変わったことと同様の変化が、今、教育に起こっていることを示しているとわかるからです。
小川氏の比喩により、今という位置を把握しやすくなりました。変化の始まりに位置しているのが今だと私は感じています。が、小川氏はもっと進んでいると感じている風もあります。
現在の位置がどこであれ、小川氏の比喩から次のように準えることができます。

人類は、もともと人類だったと考えるのが、いわば天動説。
人類は、進化によって人類になったと考えるのが、いわば地動説。

教育は地動説を知っています。しかし、残念なことに進化して人類になったことは知っているという状態でストップしています。これが小川氏のいう天動説です。
進化によって人類は何を備え持った状態で生きているのか、教育はそれがわからずにいるのです。そのために、教育への思考は「未だ天動説」のままなのです。進化の部分を考慮せずに考えているのが現状なのです。

私のまわりには、ありがたいことに秀才がいてくれます。何事もそうですが、朱に交わると赤くなります。私もゆっくりとですが、教育地動説を話せる方向に歩みを進めています。