【横山験也のちょっと一休み】№.2202
■ルワンダ算数の親切設計■
アフリカにルワンダという国があります。
ルワンダの算数教育に、ちょっとかかわりを持っています。
今日は、思うところがあり、ルワンダの小学校2年生の教科書を開きました。
右のような問題が、例として示されています。
これ、何の勉強でしょう。教科は算数ですよ。
書いてあるのは、
・「84」「4」の2つの数
・「ト」の形の線
です。
実は、割り算の筆算なのです。
「84÷4」の筆算をルワンダの教科書では、このように示しています。
数の配置が日本の割り算と違うので、少々面喰います。
実際に、ノートにこの割り算をやってみても、少々まごつきました。
慣れていないからです。
しかしながら、やってみると、子どもに親切な筆算だと感じられてきます。
まず、数の並びが式の「84÷4」と同じ並び順なのです。
ですので、割り算の筆算は、式の「÷」が「ト」に変わっただけととらえることができます。
これは混乱が少ないです。
日本のやり方は数の位置が逆になります。
習いたての頃は、ここでつまづく子もいます。
ルワンダのやり方だと、こういうつまづきが起きないですね。
右の図は、十の位の筆算までをしたものです。
「2」が立って、「-8」と記し、ひき算をして、「0」を書きます。
ここにも、子どもへの親切設計が見えています。
赤文字で記したところです。
4と2は、「4×2」と掛け算をします。
そうです。掛け算の筆算と同じ形になっています。
感動しました!
割り算の式と同じ形。
掛け算の筆算と同じ形。
練られた筆算と感じ入りました。
すると、一つの疑問が生まれました。
「日本の割り算の筆算は、どうしてあの形になったのだろうか」と。
それを記した文献と遭遇するといいなぁと思っています。
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