お正月から,『源氏物語』を読み進めています。
読んでいるのは,筑摩書房の古典日本文学全集です。
口語訳で,上中下の3巻に収録されています。
先ほど,中巻が読み終わりました。

読んだのですが,何がどうだったのか,よく分かりません。
平安時代の素養不足が原因です。
それでも,読んでいるだけで,不思議と心地よいです。

源氏物語を読み進めつつ,別の本も読んでいました。
その一つが,右の『作法要項並に指導の実際』です。
これは,本のように見えますが,当時の先生方の手書きの資料です。

こういう「手書き」資料は,私には非常に貴重です。
思いがけない発見があるからです。

当時の挙手の形が示されています。
女学生向けに指導されていた形と同じです。
ひじを直角に曲げる,あの形です。

肘を伸ばし,すっくと手を挙げている
当時の小学生の授業風景写真も手元にあるので,
必ずしも,この手の挙げ方が,全国的だったとは思えません。
しかし,肘を曲げる手の挙げ方が小学校でも指導されていた事実があったことが
この資料から分かりました。

朝,友達を学校に誘うときの言葉も出ています。
1年生の時は「○○さん,学校へ行きませう」
これが2年生になると,変わります。
「○○さん,学校でお出でませう」

こういう言葉は,非常に貴重です。
本には一般的な言い回しが記されます。
全国に向けての販売になるので,どうしても,「普通」と思われる形に記されていきます。
しかし,この資料は,神谷尋常高等小学校の生徒さん達のために作られています。
地域限定の資料です。
ですから,出てくる言葉が実に生々しく響いてきます。

このような資料を手作りされた神谷小学校の女教員研究部の先生方に,
篤く御礼申し上げます。ありがとうございます!