【横山験也のちょっと一休み】№.3505

趣味の読書にほどよい区切りができたので、長年の懸案だった『吉田松陰全集』を少しずつ読み進めています。

吉田松陰と言えば、これですね。

かくすれば かくなるものと 知りながら
   やむにやまれぬ 大和魂

何か、前に進もうとしたときにこれを口ずさむと、勇気が湧いてきます。
今も、ちょっとしたときに、口にして意気を高める自分がいます。

読み始めたばかりですので、まだ、この一首は出てきませんが、ためになる話が随所に出てきます。

そんな中に、スコーンと算数ファンの目が釘付けになる記述と出合います。
今回は、松陰の書いた日付の表現をご紹介しましょう。

1)「本月中二
これは、今月の12日ということ。
中は真ん中ということで、始めの2でなく、終わりの2でもない、中の2日、つまり12日となります。

2)「旬余」(じゅんよ)
これは、「十日余(あまり)」のこと。
旬が10日を表しています。今も上旬、中旬、下旬と言いますが、上旬は初めの十日。中旬は中の十日。下旬は終わりの十日ということになります。
旬が10日なので、旬余は十日あまりとなりますね。

3)「仲五
これは、15日の事。
仲は中のことで、中旬の中と同じ。中の5日ということです。

4)「念一
これは、21日のこと。念が、二十を表す「廿」の意味と辞書に載っているのですが、それがなぜかはよくわかりません。日本国語大辞典で調べたら「「二十(廿)」の合音ネムが「念」の音に通じるところから」とありました。音が似ていたので、念の字をあてがって使っていたのですね。それが辞書に載るぐらいですから、多くの日本人が使用していたと伝わってきます。

算数と言えば、こちらの2冊。
私の書いた小学校の先生向けの本です。