【横山験也のちょっと一休み】№.3510
算数の古い本に、文章問題が出てきました。
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紙二百枚を四十人の生徒に同じ数づつ分けると、一人が何枚づつになるか。
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わり算の文章題なのですが、この文章を、次の所で止めたら、ちょっと感じるものが変わってきます。
「紙二百枚を四十人の生徒に同じ数づつ分ける」
これを命じられて、実際に分けることになったら、少々面倒だなぁと感じます。
自然な形で分けると、トランプを配るように、一人に1枚ずつ40人に配り、まだ残っていたら、もう1回一人に1枚ずつ40人に配ります。それでも、残っていたら、同じことを繰り返します。
トータル200回手渡しするのですから、これは大変な作業です。
「えぇー!」と思いたくなる作業なのですが、そこに、チャチャッと200÷40を暗算して、「一人に5枚ずつ配ればいいんだよ」と誰かが言ったら、これは「すごい!」となります。5枚ずつ配れば、手渡しは40回で済むからです。作業量は5分の1です!
暗算をした人は、近未来にやってくる結果を事前に予言しているだけでなく、その作業量も激減させています。こうなると、わり算はありがたい計算だと伝わってきます。
わり算には、「分ける」とか「配る」とか、何かしらの作業が入るので、そこを生かして、ちょっと数を大きめにして、実際に作業をするとなると面倒だなぁと思える問題を示すのも、わり算の良さを子どもたちに示すいい話になります。
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この話は載っていませんが、かなり面白い算数のアイディアがたくさん載っている本が、6月30日に発売になります。手品のようなアイディアも入っています!
『「夢中で算数」をつくる教材アイディア集』の第3集です。
1集、2集と合わせて、御贔屓によろしくお願いします。