【横山験也のちょっと一休み】№.3528
戦前の小学校では、「長方形」の事を「矩形(くけい)」と呼んでいました。
戦後、「長方形」が使われるようになり、「矩形」という言葉は小学校からすっかり姿を消しました。
小学校で姿を消したのだから、世の中でもまず使われていないと思っていたら、先日のSG会で印刷業界では普通に使われていることがわかりました。
それをブログに書いたら、親友の佐々木智光先生から、CADの使い方で「矩形」が使われていることを知らされました。
—–↓佐々木先生より↓—–
調べてみました!建築業界でも使うみたいですね。例えばCADで長方形を描く時は普通に矩形と言っているようです。
http://www.west-field.jp/dobokuw…/manual/0012/cad/202.html
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印刷業界、建築業界では、「矩形」が使われている。
これは、私にとって上質の知識となりました。仲間はありがたいですね。
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先日のSG会で、この長方形・矩形の話を少ししたところ、明石先生から東京の某小学校の算数の研究会でも話してほしいと頼まれました。
その算数は2年生の三角形や四角形を学ぶ単元とのことです。
この単元には、ちょっと不思議な面白さがあります。
教科書には三角形の定義が書いてあります。例えば、「3本の直線でかこまれた形」です。
これを素直に受け止めると、そういう形は「三直線形」あるいは「三辺形」になるように思えます。ところが、名称は「三角形」です。「あれっ?!」って思いますよね。
三角形と呼ぶなら、「3つの角でつくられた形」などと定義してもよさそうに思います。その方が、名称「三角形」との定義の言葉のつながりが非常に円滑になります。
しかし、角では定義しないで、直線(辺)で定義しています。なぜでしょう。
それは、「角」が、直線(辺)や頂点などと異なる存在だからです。直線(辺)や頂点などは一番小さな単位で図形の構成要素と呼ばれています。角はその構成要素を組み合わせてできたものなので、定義をするときには活用しづらいのです。
用語とは別の見方もできます。
三角形をよくよく見ると、辺の所にも角があると見えてきます。
鋭角や直角、鈍角は、確かに3つしかありません。ところが、平角(180度の角)は辺の上に存在しています。それも無数に。
こんな話を2年生にすると、「混乱するから」となりますが、時代は個別最適化です。算数に突出した子がいたら、個人的にちょっと話してあげるのもいいですね。
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この3冊は私の書いた楽しい算数授業の本です。面白い本です。