【横山験也のちょっと一休み】№.3560
『「夢中で算数」をつくる教材アイディア集』の第3集に、「前後かけ算」という楽しいかけ算の話が載っています。
かけ算の仕組みを使って、子ども達が思い浮かべた数を、先生がズバリと当てるという、小さな手品です。
かけ算九九が終わったころにやってみると楽しい計算手品なので、まずは、2~8の中から数を一つ頭に思い浮かべてもらいます。
「その数を、先生が後ほどズバリと当てますよ!」などと言いつつ、「忘れるといけないからノートの隅に書いておいてね。」と促します。
さて、ここからかけ算をしてもらいます。
「頭に思い浮かべた数の一つ前のかずと、一つ後の数をかけ算してください!」
例えば、「6」を思い浮かべたら、「5」と「7」をかけ算します。
そのかけ算の答えを子どもに言ってもらい、先生はそこから、「う~ん」と考えているふりをちょっとだけして、「山田君の思った数は、6です!」と当てます。
2人3人と答えてもらうと、子ども達もうすうす答えがわかってきます。
この仕組みは、言ってもらった答えに1を足すと、思い浮かべた数の二乗になります。
ですので、7を思い浮かべた子は49より1小さい数を言うので、「ああ、7だな」と分かるわけです。
この「前後かけ算」は、結構奥が深いです。
1つは、数が2桁、3桁になっても同様に、「二乗-1」の数になります。
2つは、「2つ前の数×2つ後の数」にすると、「二乗-4」になります。
「3つ前の数×3つ後の数」にすると、「二乗-9」になります。
ここにも、面白い規則性が出てきます。
数の面白い世界を「前後かけ算」でちょっと味わうことができます。
第3集から1つご紹介しましたが、1集も2集も楽しいですよ。