【横山験也のちょっと一休み】№.3587
「鉛筆は何本ありますか」と問われたら、左の枠の中に100本。次の枠が20本。最後の枠が8本。合計128本となります。
こういう3桁の数の指導はイラストで分かりやすく伝える時代になっています。「128」はアラビア数字と呼ばれています。アラビア数字が日本の教育に登場したのは、明治になってからです。欧米に習って小学校を作って、それと一緒にアラビア数字が使われるようになりました。
ですが、生活環境は漢数字が普通でしたので、アラビア数字と漢数字が混在している時代でした。
私が小学校の先生になったころには、漢数字はかなり影を潜めていましたが、それでも今よりは大目に学習していました。
おかげで、面白い工夫をすることができました。
300は「3百」、50は「5十」。
先ほどの「128」でしたら、「1百 2十 8」という具合に書いて、それから百や十の漢字を黒板けしで消していき、それが「128」なんだと、演出するわけです。
板書から一歩進んで、紙に「百」「十」などを書いて、それを黒板に貼り付けて楽しむこともしていました。
イラストの工夫や、漢数字の工夫で、筋を通した分かりやすさを示しているのですが、どうしても筋が通らない所、理由を説明できない所もあります。
それは、「1が10個で、なぜ十と言うのか。」「10が10個で、なぜ百と言うのか」という名称です。
十や百に限らす、一も二も三も、なぜそう呼ぶのかは、理由を教えることができません。
そういう対象については、繰り返して用いて馴染ませていきます。
こういうこともあって、算数は似たような問題に何度も取り組ませて、感覚的に会得してもらえるように取り組むのが常となっています。
下の3冊は私の書いた本です。算数の面白いあれこれが書いてあります。