「三角形の内角の和=180度」
これを学習したとしても,どの三角形でも本当にそうなのかと疑いを持ったら,一つ一つ確かめなければなりません。そんなことになったら,三角形を見るたびに,確かめることになり,時間ばかりが過ぎていきます。
そうはならないようにと,一つか2つのサンプルを使って,180度であることを示し,「どうやら,三角形の内角の和は,どれも180度になっているみたいだね。」とし,そこから,いつしか「どれも180度である」と決めてかかるのです。ちょっと,暗示っぽくもあり,ずるいような感じもするのですが,時間をかけてたっくさんの三角形で確かめるということもしていられないので,こういう方法でもやむを得ないのです。
でも,三角形を動かして,いろいろと動かして,どう動かしても内角の和が180度となっていることを,目の前の図形とともに見てしまったら,たっくさんの三角形で確かめるようなことをしなくても,自分から「180度なんだ!」と思い始めます。類似したことを繰り返すと,そこに規則を見いだそうとするのが,人間だからです。「自動的に規則を見いだそうとするように脳が設計されている」と考えても良いかもしれません。ことわざが好きであり,格言も好きなのは,そこに生き方の規則が内包されているからです。
画面の三角形は,頂点の黄緑のつまみをドラッグすると,三角形の形を自在に変えることができます。どの形でも,内角の和は180度なのだと規則がわかった瞬間から,四角の中の角度の大きさを答えることに自信が持て,「ハイ!ハイ!」と手を挙げるのです。
「あの子が授業で手を挙げた!」「あの子が明日も算数をやりたいといっていた!」 算数ソフトを使えば,当たり前の現象です。算数が頭に入ると,頭が喜びます。面白いと喜ぶのです。自分で規則に気がついたから,いっそう面白くなるのです。