【横山験也のちょっと一休み】№.3599
先週の土曜日のSG会で、川合先生が「小数のたし算」の表記に関するレポートを提案されました。
下のようにノートに書く子(A子)がいて、
1、小数点を書く場所が違う
2、小数点の形が違う
とのことで、レポートが進んでいます。
レポートは紙幅の都合でどう指導するかは記されていませんでした。それが私にとっていい働きをしてくれ、あれこれ頭が回転しました。
まず、A子は正しく計算できています。計算の最重要事項は正しい数値を見出すことです。それができていますので、小数点の位置や形はそれほど重要なことにはなりません。
それでも、小数点の位置を縦線の下の方に書くという形に導きたいのでしたら、「小数点君」がお薦めです。
なにしろ、A子は「1ますに1字」という国語のルールを守り抜いています。小数を習った時に縦の線の下の方に●を書くと教わったはずですが、それでも「1ますに1字」というルールを守り続けて、小数点も1ますに書いています。
普通に話して、すぐに小数点を書く位置を飲み込める子でしたら、普通の指導でいいのですが、その乗り換えがうまくできない子、ちょっと気になる子がいたら、「愉快な印象」を与える方法を用いることがお薦めです。円形のマグネットにマジックで顔を書いた「小数点君」の登場です。
実際の授業では、黒板にます目を書いて、そこに小数点をつけないで式を書きます。「23+15」を見せて、「これを2.3+1.5にしたいのですが、どうしたらいいでしょう。」など話しかければOKです。
それから、「小数点君」を見せて、「だれか、小数点君をおいてください」とでも言えば、子ども達はワイワイと手を挙げてきます。1つ目は他の子にやってもらい、2つ目でA子を指名すれば、A子も真似をして線の上に小数点君を置くでしょう。
そうして、「皆さん、さすがです。小数点君は、線の上が大好きなんですね。」と小数点君の嗜好性として「線の上が好き」と設定すれば、まずはチャンチャンとなります。
こういう面白いことを頭の中で廻らせることができました。川合先生の具体的な気づきに感謝です。
小数点君は下の本の第1巻に載っています。