【横山験也のちょっと一休み】№.3667
ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』(早川書房)にかけ算の話がでてきます。ほんの一瞬です。
本の中では、このかけ算はシステム2(脳)を使うので、混んでる道を右折しようとしている運転手に、この計算を出題をしてはいけませんよという感じで載っています。脳の2つのシステムを分かりやすく説明するための一つの事例としての扱いです。
私にとって『ファスト&スロー』は「進化教育学」を学べる本なので、熱心に読むことが最も大切な読み方となります。それなのに、そのこととは関係なく、この計算を見て、「これは楽しくできる」と思ってしまう自分もいます。今日も再読をしようと読んでいたら、この計算が登場し、やっぱり「楽しく計算できる」と反応しています。
何故、楽しく計算できるのかと言うと、「17×2を計算し、その答えを2倍すると17×4の答えになる」からです。この考え方で筆算をすると、普通の筆算とは見た目の違う形になるので、視覚的にも楽しさが膨らみます。
私が小学校の先生をしていたころは、夏休みに登校日がありました。
登校日のやるべきことをやり終わってから、高学年担当だったら、この話を出すのもちょっとした清涼剤になりますね。
「こんな風に計算したのですが、正解できました。さて、これはどう考えて計算したのか、わかりますか」と。
この「倍みつけ」は載っていませんが、下の3冊にはあれこれ楽しい算数のアイディア教材が載っています。