【横山験也のちょっと一休み】№.3680

あまり馴染みの無い言葉ですが、「数字根」という言葉があります。

下のように、数字を合計していき、最後に出てきた1桁の数を数字根と言います。
・ 825→8+2+5=15→1+5=6
・ 594→5+9+4=18→1+8=9

小学校でも数字根は使われています。
わり算で3で割り切れるかどうか、9でわりきれるかどうか、これを考える時に、使われています。

例えば、上の825が3で割り切れるかどうかを考える時に、数字根を求め、数字根が3の倍数なら、825は3で割り切れる数となります。
594が9で割り切れるかどうかは、594の数字根が9であるかどうかで、判断できます。

こういう使い道のある数字根ですが、上記以外ではほぼ使われていません。
戦前は数字根はかなりよく使われていて、先生の計算力が神業と子ども達が思ってしまうような使われ方もしていました。

でも、これは古い話なので、また後日書きたいと思いますが、戦後でも、算数の通の先生は人知れずして、授業でちょっと使うことがあります。
それは、かけ算九九で9の段を学習したときです。


9の段の九九の答えは、左のように数字根がすべて9になっています。
まあ、左のように詳しく書かなくても、皆さんすでにご承知のことと思います。

先生にしてみたら当たり前のことでも、9の段を初めて学んだ子ども達は、頭の中がかけ算でごった返しています。

まさか、九九の時間にたし算が出てくるとは思わないので、数字根がすべて9になることに、案外と驚いてくれます。なんだか、いいことを知ったという気持ちになるんでしょうね。

9の段でちょっと紹介するだけでも楽しいですが、まれ~に、「先生、8の段では、8になるのですか」と聞きにくる子もいます。
そうはならないのですが、結構面白い規則性が見えてきます。

万一、数字根マニアみたない子が出てきたら、「1から順に数字根を見つけていくと、面白いことに気づくよ」と話してあげるのもいいです。

あまり使い道のない数字根ですが、地味に面白いです。