【横山験也のちょっと一休み】№.3682

「37」は、なかなか味わいのある数です。
先日、その一端を記しましたが、2年生でのたし算の練習でも、ちょっと楽しむことができる数なのです。

私が教員になったころ、岸本裕史の『見える学力、見えない学力』が大ヒットしました。
その本に載っていたか、別の本だったか忘れましたが、たし算の筆算で「同じ数を10個たす」という楽しい計算練習が紹介されていました。
私の記憶では「エレベーター計算」という名前だったように思います。

この計算の面白いところは、10個たすと、答えが足していた数の10倍になることです。
かけ算を知っている人なら、どんな数でも10個合わせると、10倍した数になることは常識となっています。でも、2年生でかけ算を学ぶ前でしたら、そういうことを知らないので、10倍した数が出てくることに驚き、そこに面白さを感じ取ってくれます。

このエレベーター計算のさらに一味違うものが「37の10個たし」です。
ご覧のように、途中で「111」「222」「333」が登場してきます。そうして、最後はお決まりの「10倍した数」となります。

こういう計算を紹介すると、先生方の中には気難しい顔をする人もまれにいます。
「出てきた答えに、直接別の数を足すのは、いかがなものか」と感じるからです。
そう思う先生は、こういう練習はさせない方がいいでしょう。

しかしながら、あまり細かいことを気にしない先生でしたら、楽しいのでぜひ子ども達にチャレンジさせてみてください。

この計算は、たし算を一気に9回することになります。
クラスの子が黙々とやっていたら、「皆さんは集中力がありますね」とか「いい集中力を持っていますね」と言ってみるのもいいですね。

今は、こういう練習はほぼ姿を消していますが、戦前の算術関係の本を開くと当時は大流行していたと感じ取れてきます。
何かの折に、また、ご紹介したいと思います。

下の本は私の書いた本です。楽しい算数のアイディアがたくさん載っています。