【横山験也のちょっと一休み】№.3687
「3+3が6にならない」という授業をやってみると、子ども達は結構喜んでくれます。
どの単元で行うのかというと、2年生で言えば「長さ」、3年生なら「重さ」など、単位を学ぶ単元です。
長さの計算や、重さの計算を勉強の終わりごろ、黒板に3+3と書きます。
ちょっと間延びした形で書くようにします。
3 + 3 =
子ども達に答えを聞くまでもなく、6となります。
続けて、もう一つ書きます。
3 + 3 =6
3 + 3 =6
それから、おもむろにcmを付け足します。
3 + 3 =6
3cm+ 3cm=6cm
「良い感じですね」「3cm+3cmは6cmなんですね」「3+3は6ですね」などと言いつつ、もう一つ、3+3を付け足します。
3 + 3 =6
3cm+ 3cm=6cm
3 + 3 =6
今度はmmを書き足します。
3 + 3 =6
3cm+ 3cm=6cm
3mm+ 3mm=6mm
「3+3はmmでもやっぱり6ですね」などと、感心しつつ、最後の3+3を書きます。
3 + 3 =6
3cm+ 3cm=6cm
3mm+ 3mm=6mm
3 + 3 =6
今度は、cmとmmを書きます。
3 + 3 =6
3cm+ 3cm=6cm
3mm+ 3mm=6mm
3cm + 3mm =6cmmm
「どうです。良い感じですね。」
「3cm+3mmは、6cmmm(センチミリメートル)なのですね。」
「3+3はいつだって、6なのですね。」
こんな風に、ちょっといい気分で3+3はいつでも6であることに感心していると、子ども達から「おかしい!」「一番最後のは6じゃない!」などと、少々興奮気味に言い出す子が出てきます。
その声につられて、どうも変だと感じていた子も同調してきて、3cm +3mmは6cmmmではないことを言い始めます。
「3cmと3mmは足せない!」
「cmmmなんて聞いたことが無い!」
良い感じで言い出すのですが、下のことがうまく説明できません。
「たし算はできるけど、単位(位)が違うから3と3は足せない」
でも、筆算にして説明しだす子が出てくると、一気に整理がつきます。
単位の違いが位の違いとなっていることが、一目でわかるからです。
子どもの書いた筆算に、単位が付いていなかったら、先生が補って、解りやすくしていきます。(筆算に単位を付けるのは戦前では極めて普通のことでした)
「3+3は6にならない」は、単位が違うとそのままでは足せないことを、少々印象深く伝えることができます。
当たり前のように言われている「単位に気をつけましょう」という注意喚起をちょっと楽しく行える授業です。
下の本には、「3+3は6にならない」の話は載っていませんが、楽しい算数のアイディアがたくさん載っています!