【横山験也のちょっと一休み】№.3689
前回、「六角鉛筆かけ算」を紹介しましたが、六角鉛筆を使うと意外な面白い授業ができるのです。
それは、六角鉛筆サイコロで何が出たかを当てさせる遊びです。
やり方は簡単です。先生が教卓で六角鉛筆を転がして、かけ算の答えを言えばOKです。
例えば、4の段で行い、「8」が出たら、
「32です!」と、先生は大きな声で答えを言います。
鉛筆サイコロの答えは子ども達から見えません。
先生にしか見えないので、ちょっと得意顔で進めることができます。
先生の答えを受けて、子ども達は六角鉛筆サイコロで何が出たかを言い当てます。
少し戸惑う子もいますが、4の段で32となると、「8」が正解と分かります。
ですので、かけ算に慣れている子が、元気よく「8!」と答えてきます。
そうかなぁという顔をして待っていると、次々に「8!」と言ってきます。
「鉛筆を見てないのに、どうして8とはっきりわかるんだ?」と言うと、当然の如く「しハ32だからだよ」と返ってきます。
それでも、先生は、そう簡単には分からないはずだと言い張ります。
「しハは、確かに32だ。でもね、鉛筆を見ずに8だとわかるはずがありません。」
この反論は、論理は分かるが検分していないからダメと、突っぱねているのです。時代劇に出てくる悪い役人のような立ち位置です。
そうすると、次第に、鉛筆を見せないとならない状態になります。
鉛筆を見せて「8」だと分かると、子ども達は「やっぱり!」と大喜びします。
ここがちょっとしたナイスなところとなります。
教科書などでは、同様の所を「4×□=32」と示し、□の中に入る数を考えてもらいます。
これでもいいのですが、サイコロ鉛筆を見ての検分や検証が付くと、ちょっとかけ算に出遅れている子も「やっぱり」と確かめられたことを喜ぶことができます。
検分でいい気分となっているので、もう少しやってみます。
ここも、追い込み掛けるように話すと楽しいです。
「みんなが、8と分かったのは、まぐれです!」
「まぐれ当たりです!」
「まぐれに決まっています!」
「もう1回やりますよ。」
とわざとらしい挑発をして楽しみます。
そうして、何回か楽しんだら、
「今やったのは3年生で習うわり算の考え方なんですよ。」
「今の勉強で、皆さんの頭は、一気に3年生レベルになったのです。」
と、学力が向上したことを話すのも、子ども達のやる気を高めることにつながります。
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下の3冊は私の書いた算数の楽しい本です。「鉛筆サイコロに何が出た」は載っていませんが、こちらもぜひお読みください。