ミーティングをしていると、時々ですが、自然体験の大切さが語られることがあります。

話を聞いていると、火おこしにしろ、紐の結び方にしろ、木の切り方にしろ、それなりに学ばないとできません。
また、体験的に得たことは危険とか予期せぬことなどが伴うので、デスクでの勉強では得難い貴重性があります。対応力や判断力などです。
だから、確かに自然体験は大切で、そういう体験はした方がいいという気持ちになります。

デューイを読んでも、そういうことが書いてあります。
自然に直接にぶつかることや、実際の事物や材料をとりあつかうことや、それらのものを操作する実施の過程に触れることなどから得られるじっくりした習熟や、それらのものの社会的な必要さや用途についてのわきまえが、教育目的からみて重要な意義を持っていることをみのがすことはできない。『学校と社会』p22)

ルワンダに行くと、首都のキガリでも、周囲には結構自然があります。
学校の敷地にヤギがご覧のような状態で飼われている学校もあります。
自然には事欠かない世界です。

ですが、算数は非常に問題が大きいです。信じがたいほど分かっていなくて、できないのです。

自然体験を積むと、足腰のしっかりした学問の基礎ができる、というような信仰に近いものを持っていたのですが、ルワンダに行って気が変わりました。
自然体験が有効なのは自然体験の範囲であり、人為的な学問は人為的に学ばないとそこでの成長はありえないのです。

遠山啓が半具体物として、正方形のタイルを用いたのは、まさに人為の傑作です。
ペスタロッチが分数計算の図を用いたのも、人為の傑作です。

ルワンダの子の子ども達に、諸先輩方から学んだ人為的教材の具体性と、その考え方をプログラムしたソフトを大いに示したいと思います。
ただただ、短時間に量をこなせば、ルワンダの子も急速に算数ができるようになります。
そういう画期的な日を迎えたいですね。
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