【横山験也のちょっと一休み】№.2991
仕事の合間に、『日本の数学』の後半を読みました。
明治維新と共に洋算が導入され和算が衰退していく章は、歴史の大きなうねりを感じます。
未来につながる算術である洋算の研究をしたのは、和算家ではなく、洋学者や陸海軍の関係者だったとあります。
普通でしたら、算数数学の専門家こそが、敏感にキャッチして、新しい算数数学を前進させていくものと思います。
ところが、実際に起こったことは専門家なるが故の驕りでした。
「日本の算数数学の方が勝っている!」と判断し、洋算を学ぶことをしませんでした。
ちょうど今、GIGAスクールがうねりを起こし始めています。
学校全体のアップデートも必要ですし、授業の大改革も必要です。
そこを敏感にキャッチして進む先生もいれば、そんなのは・・・と思う先生もいます。
こういう時、時代の流れの先を感じ取れるのがたいてい若い先生となります。
私のような往年の元教師は確実に取り残される側に位置しますが、幸い歴史の転換には何をしたらいいのかを歴史書などで学んでいるので、何とかついていけています。
未来を示す前田先生や堀田先生、木村先生の著書は、私にも未来を見せてくれるいい本です。
と、和算から洋算への劇的転換を感動的に読んでいたので、本の中に紹介されていた古書を思わず日本の古本屋で注文してしまいました。新年の初購入本は、『洋学訓蒙図会』です。明治2年の本ですから、そうとうな熱意で洋算を学んだ人が書いた本だと伝わってきます。
こういう本は手にするだけで歴史的に進んでいくことの大切さが体全体に広がります。私には良書です。
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